Z世代の代表 作品紹介

一号とRYANAがZ世代ならではの視点でさまざまな作品を紹介します。

【ネタバレなし】『トップガン マーヴェリック』 時代遅れ?それでも・・・

トップガン マーヴェリック』を見てきた。評判通りの傑作。久々の快作。

 

というわけで流行りに便乗して『トップガン マーヴェリック』の紹介をする

 

というワケで本文なんだが。

80sが好きな人、アクション映画が好きな人、トム・クルーズが好きな人、飛行機が好きな人、それらに当てはまるならスマホを閉じて今すぐ劇場に行ってくれ。せっかく劇場の大画面大音響で『トップガン』が見れるんだ。躊躇する必要はない。きっと満足するはずだ。

 

 

 

とまあこんな素直な人たちは置いておくとして、少しこじらせた君だ。

そう私と同じ人種。流行りものは触れる前にはとりあえず疑ってかかる。大手広告代理店どもには騙されないという自覚があって、常に斜に構えて自我を保っている。

愚かな大衆と一緒にしないでくれ。

TwitterYouTubeのレヴューが口をそろえて絶賛している。それが気持ち悪い。ネットのノリが気持ち悪い。老人のノスタルジーも気持ち悪い。

よくわかるよくわかる。

そして見に行かない理由の論理武装はこうだ。

①今更トップガンってwww 時代遅れだろ。

②そもそもレーダーで先に探知したほうが対空ミサイルぶちかまして終わる時代でしょwww 

③そもそもアメリカ軍のプロパガンダ映画なんてイラク戦争以降全部ゴミじゃん。(『300』を除いて・・・)

④ハリウッド映画は退廃芸術!僕はゴダールを見る!!

 

君はどれだっただろうか?①から③の方。朗報だ。君は見に行けばきっと感動する。さあ劇場へいけ。

(④の方は・・・タルコフスキーの映画がおすすめ♡。YouTubeにモスフィルムが上げているよ。今すぐみよう♡。)


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確かに時代はステルス戦闘機。

トムキャットが引退してからもう20年近く。アメリカ海軍の戦闘機の戦闘機は、運動性能を抑え、ハイテク技術をふんだんに積んだF35への移行が進んでいる。(遅れている)近年ではドローンの有用性が広く認められているし、第六世代機は無人機になるのではないかという噂もある。パイロットが英雄になる時代はもう終わった。

それにアメリカのイラク戦争以降はアメリカ軍の話を明るく描くなんて、そんな空気じゃない。(ベトナム戦争物は昔から暗いですけどね。)

同時多発テロをオーバーラップさせた同じくトム・クルーズ主演の『宇宙戦争』もなんだかどよーんとした空気感だ。それから10年以上たってもアメリカの雰囲気は曇り空だ。差別問題、格差問題、陰謀論と様々な問題が噴出し、常に映画もその影響を受け続けている。

あの若々しいトムが演じた80sの『トップガン』の空気感なんて出せるわけがない。

と私は映画を見るまで思っていましたよ。

 

トップガン マーヴェリック』はある意味そうした鬱屈を自覚しながらも、それでも私は飛ぶんだ。アクション映画を撮るんだ。という姿勢を見せてくれる。

時代遅れ?そんなのわかっていますとも。お前に未来はない?それも知ってる。

でも今まだ俺はやれるんだ。「ハリウッド映画」を撮るんだ。という制作者の意気込みが感じられる。失われていくあの黄金時代。そのままやってしまえば老人のノスタルジーでしかない。だけれども、それを自覚したまま、メタ的な立場に立って開き直るそのやり方を私は歓迎したい。

私はZ世代なので冷戦もパクスアメリカーナも歴史上の出来事でしか知らない。私は物心つく前に911が起こった。80年代のように元気なアメリカを体感しているわけではない。それでも『バックトゥザフューチャー』は知っているし、MTVで流れていたようなポピュラーミュージックにはなじみがある。80年代のアメリカはすごかったってことを感覚的に知っている。


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そんな80年代の雰囲気をぜひナウに味わいたいと少しでも思ったのなら、劇場に赴くべきだ。このような貴重な機会を取りこぼすわけにはいかない。これが最後のチャンスになるだろうから。40年越しのきらめきは私たちを一瞬かすめて、思い出の廃墟の中にまた舞い戻っていくのだろう。