『「六月二十四日は、全世界的に、UFOの日だ。」UFOにまつわる作品『幼年期の終わり』『第9地区』『スター☆トゥインクルプリキュア』など』
こんにちはZ世代の代表RYANAです。
さてさて、もうこんな時期がもうやってきました。
世界三大記念日のあの日が。
え?クリスマスと元旦とあともう一つがわからない?
おっくれてるぅ―っ!!
1947年6月24日、アメリカ合衆国ワシントン州のカスケード山脈上空で、事件は起こった。
ケネス・アーノルドという人物が自家用飛行機で飛行していたところ、水面を跳ねるコーヒー皿のような飛び方をしている物体をみたというのだ。
当時の技術では考えられないほどの速度で飛んでいたその物体。
これがマスコミによって空飛ぶ円盤として普及し、アメリカ軍も調査に加わった。
そしてその円盤はこう呼ばれるようになる。
“unidentified flying object“、UFOと
(最近はUAPと呼ぶらしい。)
というわけで今日はUFOの日なのでUFOについての作品を紹介します。
ケネス・アーノルド事件やその後すぐに起こったロズウェル事件以降、SFやオカルト作品では特にポピュラーな題材になったUFO。
特に50年代から80年代くらいにかけては特に様々な作品が生まれました。
その時代のUFO熱はすごいですよ。
あの三島由紀夫もUFOマニアだったくらいで、「空飛ぶ円盤研究会」に所属していたぐらいですから。
(信じられないことでしょうけれど、嘘じゃないのです。ほんとのことなんです。)
そんな様々なUFOについての作品ですが、ビジュアル面で最初期にかなり大きなインパクトを与えた作品としてはやはりコレ。
『地球の静止する日』ですよね。
ワシントンの野球場に円盤が下りてきて、宇宙人が登場するわけですが、彼らは非常に友好的。しかしおびえた兵士の誤射により、宇宙人は怪我をしてしまいます。そこで出てくるのがあの有名なロボット。しかし人を殺すことはなく、武器を無効化するだけで終わります。
それから宇宙人は米国大統領に世界中の国のトップと話したいというのですが、冷戦中なので結果はNO。
人類の軍事技術がこれ以上発展してしまうと他の星を刺激して地球が破壊される、ということを忠告したかった宇宙人の使命は一度失敗してしまいます。
果たして地球は一つになることができるのか?
(ファーストコンタクト物でも定番のテーマですね。それにしても本作のあのラストはなんというか考えさせられるものがあります。)
続いては小説から。
大都市上空に浮かぶ巨大宇宙船。
空中に浮かぶ巨大な円盤の影はものすごい威圧感。
そして中から出てくる宇宙人は侵略者か?それとも友好的な我々の友か?それとも?
『幼年期の終わり』はまさにそういった作品の草分け的な存在です。
(『インディペンデンスデイ』も『メッセージ』もこのイメージの元生まれたと言っても過言はないでしょう。)
そしてその円盤から出てきた種族はオーバーロードと呼ばれ、我々の人間と比べて、はるかに進んだテクノロジーの持主。
人類が円盤を打ち落とそうとしても、びくともしません。
しかしオーバーロードは基本的には友好的。いったい彼らはなにをしに来たのか?タイトルの『幼年期の終わり』の意味とは?
人はどこからきて、どこにいくのか?三人の主人公から語られる壮大な物語は必見です。
(これとはまた違った味付け)
続いては21世紀に入ってから。
UFOの発見から半世紀以上たっても、UFOへの想像力はとどまることはないのです。
今まではUFOがやってきたらそれは侵略者であるか、啓蒙者であるかというパターンがほとんどでした。(これは同義語ですね。恐ろしき西洋中心主義)
だけど『インディペンデンスデイ』や『宇宙戦争』みたいなものばかりだとやはり飽きが来ます。
そこで変化球の作品。もし宇宙人が難民として亡命してきたら?という作品。
『第9地区』です。
第9地区は宇宙人の高度なテクノロジーや武器というものよりは、エビのような宇宙人への差別問題について焦点が当てられた本作。
(本作はヨハネスブルグですが、日本でも数億のバルタン星人が難民としてきたら、軋轢が生まれそうですよね。)
主人公はエイリアンに立ち退きを要請する職員でしたが、謎の液体を浴びて体がエイリアン化してしまいます。そして人間側がエイリアンに対して何をしてきたかということを、身をもって体験することになるのです。
そして日本の漫画作品でも『第9地区』に近い価値観で書かれたものがあります。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』という作品。
(浅野いにおは『ソラニン』のイメージが強いけどこういうのも書くんだね。)
東京上空に宇宙船が登場するというイメージは『幼年期』からの伝統ですが、なんとこの宇宙船。これがめちゃくちゃ弱かった。
そして宇宙船を完全に落とすわけにもいかない政府は時々出てくる子機を時々撃墜するだけ、上空の宇宙船は放置されたまま物語は進んでいきます。
これは何かのメタファーなのか?それとも登場人物のかわいい女の子だけを眺める漫画なのか?自分の目で確かめてみましょう。
(地味にアニメ化決定している)
そして続いてはもっと変化球な作品をご紹介。
UFOというのはシリアスな作品だけのものではありません。『うる星やつら』にだって『ドラえもん』にだってUFOは登場します。
(ラムちゃんのUFOはトラ柄!アニメ版だと面堂の家に落ちたりします。)
そして次に紹介するのはこちら。
え?プリキュア?なんで?と思ったそこのあなた。
いやいやめちゃくちゃ面白いんですよこれが。
とくにこの『スタートゥインクルプリキュア』は『うる星やつら』や『超時空要塞マクロス』など80年代へのオマージュがいっぱい。
(といってもEDは70年代風?映像は80年代チック)
もちろんUFOへのリスペクトも忘れていません。
このプリキュアの主人公はオカルトオタク。UFOだとかUMAだとかが大好きで、いつも一人でそれについて調べている。そんな少女です。
それがよくわかるのが一話。敵がUFOに乗ってやってきた時に彼女、「アダムスキー型!」って興奮気味に叫ぶんです。
(一話13分あたり。これを見てわたしはこの作品が好きになりました。)
もちろんそうした小ネタだけではないこの作品。
近年ではしぼんでいく一方である宇宙や神秘への好奇心を掻き立てる。そんな作品に仕上がっております。
最終回間近で明かされる、宇宙の成り立ちには本当に驚かされました。
そうか宇宙中のどの星でも星座があるのはそういう理由だったのか!
真相はぜひその目で確かめましょう。
(変身シーンは歌う。これで敵もデカルチャーするんでしょうか?)
ちなみにこの作品、映画もファーストコンタクトものとしてとても面白い出来になっていておすすめです。
これを見た全国の子供たちがオカルトに目覚めて、UFOをみんな探しに行くような世代になるかもしれない?(願望)
というわけでUFOにまつわる作品紹介でした。
あれ?重要な作品を忘れているような?
そう、UFOの日と言えば、『イリヤの空UFOの夏』ですね。これを忘れてはいけなかった。
というわけで『イリヤ』について。
(『イリヤ』既読ならこちらへ。なんか見返したらネタバレありで語りたくなったのでこんな記事も書いた。)
今までの作品とはちょっと違って、この作品は青春もの、もしくはセカイ系とでも呼ばれる作品です。
夏休みの終わりに偶然出会った女の子が、UFOのパイロットで、彼女は世界の存亡をかけた戦いに出撃しなければならない。
そして、UFOに乗るたびに彼女は弱っていく。
世界か彼女か。そんな選択を主人公は迫られる。そんなお話。
(アニメは尺短いけど嫌いじゃない。)
この作品の良さについて語るとするなら、やっぱり印象深いフレーズでしょうね。
「一九四七年から戦争は始まってた。」「みんな気づいていなかっただけ。」[1]
だとか。
「六月二十四日は、全世界的に、UFOの日だ。」[2]
だとか。
9月から始まる、センチメンタルな夏とUFOと青春の物語。『ほしのこえ』や『最終兵器彼女』のような作品が好きならきっとはまるでしょう。(新海誠が好きなひとは必ず読みましょう。)
(三大セカイ系と呼ばれますが、『サイカノ』と『イリヤ』はとても似ています。『サイカノ』のほうがえぐみがあるかなと言う感じ。爽やかなのは『イリヤ』です。)
というわけでUFOについてでした。
今では本気でUFOを信じている人はあんまりいないかもしれないですが、人類のUFOへ想像力はまだまだ終わることはありません。
私たちの心はくちづけするよりも甘く、ささやききくよりも強く、UFOに心揺さぶられるのです。
6月24日、UFOの日。
みなさんもこの機会にUFOに関する作品に触れてみてはいかかでしょうか。
(空を見上げてUFO探しもいいですね。実際に見つかるかなんてどうでもいいんですよ。)
オレンジ色の光が私をつつむことを夢見て。
それでは
[1] 秋山瑞人(2001) 『イリヤの空UFOの夏』角川書店
[2] 同上