最近ある映画を見た。
古い映画で40年以上前の物だろう。ただ映画の題名がわからなくなってしまったのだ。
この映画がフランスの物だったか、アメリカの物だったか正確には覚えていない。
ただどちらも難解な映画だったことは確かだ。
特に脚本は不条理というか因果関係を捉えるのが難しく、会話の内容が本筋と関係があるのか、それとも尺稼ぎなのかいささか不明瞭であった。
そもそも何語の映画だったのか。英語もフランス語も聞こえてきた気がする。
聞き取れたのは„Sprechen Sie Deutsch?” “Autobahn“ „Gutenmorgen Herr Hitler“ „Wiener Schnitzel“だけ。
一体何語だったのだろう。
そしてこの映画の撮影現場は偶然性を重視するものだったのかもしれない。
アドリブが多かったような気がする。
またいつの間にか人が死んでいるシーンなど、カットによって時系列がバラバラなシーンがあった。
脈絡なくヘリコプターが墜落するシーンがあったり、アパートから逃げ出すシーンでは車に乗っているかと思えば、まだアパートの屋上にいたりした。
またこの映画では赤や青という色が印象的に取り入れられていた。
赤い車、血、トマト。また青い車が登場した。
モンドリアンのような色彩感覚である。
これはトリコロールなのか、それとも共産主義なのか。それともトマトなのか。
さらにこの映画はアメリカへの、もっと限定するならば米軍へのエスプリの効いたアイロニーが溢れていたように感じる。
ベトナム戦争の最中なのか、まだ記憶が新しい時期だったのか。
ベトナム戦争を揶揄する踊りと劇が爆撃音と共に繰り広げられた。このシーンでは作中に米軍が登場する。ただ兵士自身が躍っていたか、米兵は見ているだけだったのかはどうしても思い出せない。
そしてこの映画が普通と大きく違うところは何といっても突然登場人物が歌いだし、ミュージカルが始まるというところだ。
そしてその歌詞がなんというかかみ合わないナンセンスなものだった。
運命線について歌う女と体の線について歌う男、国内向けプロパガンダを求める政府側の人間とトマトは原子力よりもおいしいという評語を作る広告代理店。
耐えられないような曲が聞こえてくるシーンもあったはずだ。
その直後には愛についての歌が歌われるが、明らかに口と声が合っていない。そしてそれは狂人が歌う歌であった。
また最後のほうでは仮装した人が登場した。まさにピエロである。そして赤いなにかが破裂して終わる。
一体私が見た映画はなんという映画だったのだろうか。
だが映画の名前はわからないにしても、この映画がとんでもない作品であったことは間違いない。
みなさんもぜひこの映画を見つけて、鑑賞してみるべきである。
そしてこの映画に影響を受けた監督は大物になっている。
だからきっと名作だったのだろう。
とにかく私が見た映画が何だったのか、わかった人がいたら連絡してほしい。
私のほうでも調査して、真相が分かり次第ブログを更新しよう。