突然だが、『ワンピース』を読んでみた。
今更?
逆に読んでなかったの?
どういう人生していたら読まないのかわからない。
まあそうした意見はその通りであるので否定しようがない。
私はZ世代生まれであるから、『ワンピ』はもはや生活の一部というほど普及していた。
読んだことがなくたって、ルフィだとかチョッパーだとかのキャラは知っているし、なんなら小学生の時チョッパーのランチョンマットを使っていたくらいだ。
そんな馴染み深くてどうして読んでないんだということだが、意識的に避けていたというよりは、本当に巡り合わせが悪かっただけだ。
そして10年ほど、ずっと読みたい、読みたいと思っていたらいつの間にか『ワンピ』は100巻越え。買うにしては金額的にもスペース的にも大きなハードルになってしまった。
今回読むきっかけとなったのはこれ。
アプリで読めるならこれを逃すわけにはいくまい。
(最近、漫画の大長編化に伴って、最新話まで無料キャンペーンなどを開催してくれる出版社が増えた。とても助かる。)
読む前の印象
『ワンピ』と言って思い浮かぶキーワードは海賊、冒険、仲間。
私はそこから『ルパン三世』のような盗賊団ものであると推察した。
仲間と共にこの世の財宝を巡って大航海に出る。そして章のラストにはなんだかんだ理由を付けて宝は手に入らず、次の財宝を求めて新たな旅に出る。
こんなところだろうか。
(ちなみに『ワンピ』を『釣りキチ三平』のような釣り漫画だと思っていた知り合いがいた。)
とりあえず読んでみた感想
面白かった。
まずはそれを明言しておこう。
こういう王道少年漫画を読んだのは割と久しぶりで、逆に新鮮に感じる。
そしてそれぞれの海賊団だけでなく、国家権力側の海軍も関わってきていて、相関図は割と複雑だが、キャラクターの印象が深いので割とスッと頭に入ってきた。
尾田栄一郎のキャラメイク能力の高さを身に沁みて感じさせられる。
全体的なノリは少年漫画の雰囲気で、『ドラゴンボール』だとか、『ハンターハンター』と同じように軽快なギャグと、子どもの心をつかんで離さないワクワクな世界観。
確かに子どもの時にこれを読んでいたら夢中になっていただろうなと思う。
筋としては思っていたような盗賊団ものではなく、むしろ悪代官物というか時代劇のような印象を受けた。
圧制に苦しむパターンもあれば、ならず者がその街の権力を超えて暴れまわるというものもある。
そしてルフィたちは『7人の侍』のようにその街の悪を仲間と一緒に倒し、悪の犠牲になったキャラクターが仲間になるというのが序盤の展開だ。
そんな時代劇と桃太郎を足したような展開だが、特にお気に入りはキャプテンクロの回。
平穏を求めるマキャベリストのクロと、それぞれでっかい夢を持っていて仲間を大切にするルフィたちのコントラストが非常に印象的だった。
ルフィたちの持っている目的は「海賊王」にしろ「世界一の剣豪」にしろ「世界中の海図を作る」にしても途方もない。そして仲間たちは共通して具体的なプランはなくても、それを素朴に信じることができる心の強さを持っている。
そしてルフィが決して正義の味方ではないというところも面白い。
そもそもルフィは海賊だし義賊と言うほど民に奉仕するわけでもない。
アーロン編でもルフィたちは仲間を助けるために戦っても、村人たちを助けるために動くことはあまりなかった。
こうした社会よりも仲間を大切する姿勢は不良漫画的だなと個人的には感じた。
(だからそういう人たちにも受けるのだろう。)
世界観は割かしシビアで理不尽が蔓延る世界ではあるが、そんな無邪気な信念を持ったキャラクターが、「現実主義者」の敵を倒していく姿は見ていて痛快で、子どもたちに夢を与えるにはもってこいの漫画であると感じた。
今後の展開予想。
と言ってもまだまだ12巻でこれからどうなるかなど全く見当がつかない。
ただ一番気になるのはシャンクス周りの展開だ。
シャンクスはルフィが幼少期に多大な影響を受け、憧れ、生き様を学んだ男。
父と言うよりは兄のような存在だが、少年漫画においてそうしたキャラクターが再登場する時は主人公が一皮むけるイベントが起こるはずだ。
(『ハンターハンター』のカイトや『からくりサーカス』の辰巳ポジションだとわたしは見た。)
そしてシャンクスを超えた時、本当の意味で海賊王を目指す意味を知るのだろう。
(適当な憶測です。)
(少年漫画では一番好き)
とまあこんな感じだが、なんにせよ面白かったのは事実。
がんばって期間中に読み切ってやろうと思う。
それでは。
(こんな本がでるのもわかる。)